2008年02月
2008年02月22日
「型」で理解するということ
高校の勉強の中で、最初に「型で理解する」という経験をするのは、
数列で登場する「漸化式」です。
a(1)=2, a(n+1)=a(n)+3
などという式が与えられると、この式を、
a(1)=2 → 最初の数が2で、
a(n+1)=a(n)+3 → 次の数は、前の数に3を加えたものにする。
と解釈して、「等差数列」と呼ばれる数列なんだと理解します。
また、
a(1)=3, a(n+1)=2a(n)
という式を見ると、
a(1)=3 → 最初の数が3で、
a(n+1)=2a(n) → 次の数は、前の数に2をかけたもののにする。
と解釈して、「等比数列」と呼ばれる数列なんだと理解します。
漸化式には、等差数列、等比数列などの型があり、それぞれ、
違った解き方があります。
複雑な漸化式も、式変形や置き換えによって、等差数列や
等比数列に帰着させて解きます。
漸化式を解くときの頭の使い方は、
(1)漸化式を立てる。
(2)漸化式が、どの型なのか判別する。
(3)判別した型に応じた解法で解く。
といった感じです。
実は、この頭の使い方は、物理も同じです。
力学の原理である運動方程式は、「微分方程式」と呼ばれる数式です。
これは、「漸化式」の親戚といってもよい数式で、漸化式と共通点が
たくさんあります。
力学の頭の使い方は、次のようになります。
(1)運動方程式を立てる。
(2)運動方程式が、どの型なのか判別する。
(3)判別した型に応じた解法で解く。
高校物理に登場する微分方程式の型は、何種類あると思いますか?
10種類?
20種類?
いえいえ、そんなに多くありません。
たったの3種類です。
僕は、この3種類に
「放物運動型」
「終端速度型」
「単振動型」
と名前をつけて、普段は、「微分方程式」という名前を表に出さずに、
授業をしています。
でも、これは、実は微分方程式としての分類です。
大学に入ると、微分方程式の解法を鍛えます。
そうすると、今まで、運動方程式は立てられるけれど、解けなかった問題の
解が分かるようになります。
こんな風に、「型」で分類しながら高校物理を勉強していくと、
大学に入って、微分方程式の解法を勉強したときに、その意義をよく理解
することができて、スムーズに物理を勉強することができます。
公式を暗記して数値を当てはめていくようなやり方とは違い、
高校から大学へ、一本の道を描くことができます。
「型」による分類は、物理を学ぶ上で、とても大切な考え方なんですよ。
高次元では1つ
2次元人の平田アルファさんは、空に浮かぶ円形の物体について調べていました。
この円はあるときは大きくなり、あるときは小さくなり、ときどき消滅したり
しています。
「この円の運動には、どのような法則が成り立っているのか?」
平田さんは、半径と時間の関係をずっと調べていました。
別の平面に住む2次元人の面田ベータさんは、空に浮かぶ三角形の物体について
調べていました。
この三角形は、大きさを変えずに前後に移動します。
面田さんは、前後の移動の周期をずっと調べています。
あるとき、平田さんと面田さんが、平面の交線で会って、話をしました。
「僕は、半径の変化する円について調べているんだよ」
「私は、前後に動く三角形について調べているんだよ」
それを見ていた3次元人の立田さん。
「平田、面田さん、2人が見ているのは同じ物体だよ。
円錐の形をした立体が、前後に動いているんだよ。」
というわけで、平田さんの見つけた法則と、面田さんの見つけた法則は、
3次元の円錐の運動という一つの法則にまとめられたのでした。
それを見ていた4次元人の蝶田さん。
「実は、その円錐は、4次元超立体の断面なんだけどね。」
◆たとえ話終了◆
点(0次元)は、線(1次元)の断面です。
線(1次元)は、面(2次元)の断面です。
面(2次元)は、立体(3次元)の断面です。
そして、
立体(3次元)は、超立体(4次元)の断面です。
これは、5,6,7次元と、いくらでも拡張可能です。
高次元では、低次元で別のものだと思っていたものが、同じものの違う
側面であるというように見なせる場合があります。
また、低次元ではぐちゃぐちゃに見えていたものが、高次元では、
きれいな規則性を持っているものに見えることもあります。
物理学は、自然現象の背後にある規則性を見つけていく学問です。
もっとシンプルに、もっとシンプルに。。と追求していって、
「すべての現象は、この1つの法則で説明できる」と
言いたいのです。
そんな究極の法則を手に入れたいのです。
そのためには、次元の拡張が不可欠です。
4つの力(重力、電磁気力、強い力、弱い力)は、次元を拡張していくことで、
一つの法則の、別の側面と見なせることができる可能性があります。
今のところ、電磁気力と強い力、弱い力は統合することができています。
残る重力だけは、まだ、統合できていません。
次元をどのように拡張したら、重力も含めて、「同じ法則の別の側面」
と言えることができるのか!
それが課題です。
どっちが動いているの?(3)
前号で書いた問題について、説明します。
電車に乗っている何太郎君と勘太郎君が、電車(地球号)と地面のどちらが動いて
いるのかをどうやったら知ることができるのかについてしゃべっています。
----------- たとえ話の一部-----------------------------------------------
何:でも、もしだよ。
僕たちがこの地球号で生まれ育っているとするよ。
そして、目的地に着く前に僕たちの寿命は尽きてしまうとするよ。
地球号には、一定の強さでブレーキが踏まれているとするとどうだろう?
勘:どちらかが加速度運動をしているということは、景色が等速で動いて
いないから分かるんだね。
何:でも、、一定の強さでブレーキが踏まれているから、よろけることもない。。
勘:つまり、どっちが減速しているかは分からないんだね。
----------- たとえ話の一部-----------------------------------------------
これについて、前号のメルマガでは、いただいたメールを引用して、
みなさんと一緒に考えました。
---------- 前号のメルマガより ------------------------------------------
> 勘:つまり、どっちが減速しているかは分からないんだね。
減速=加速度運動している方は非慣性系になるわけですから、どちらが減速して
いるかどうか分かるのでは?
(田原)これをもうちょっと考えてみたいです。
電車が等加速度運動をしているとします。電車の中にいる人にとっては、
進行方向へ一定の慣性力を感じるとします。
天井のつり革は、一定の角度で前方に傾いて静止していることでしょう。
このとき、電車に乗っている人が次のように考えたとします。
(1)電車が加速度運動をしている。
(2)電車の床が傾いている。
この2つを区別するにはどうしたらよいでしょうか?
---------- 前号のメルマガより ------------------------------------------
この問いに関する僕の考えです。
(1)と(2)は区別できないと思います。
互いに等速直線運動をする座標系は、同じ運動方程式に従います。
互いに加速度運動をする座標系は、同じ運動方程式に従わず、慣性力の分だけ
運動方程式が異なってしまいます。
ただ、その場合でも、どちらが慣性系で、どちらが非慣性系というふうに
特定できるわけではなく、一方から見ると、他方が加速度運動しているように見える
という相対的な問題だと思います
(別の考えをお持ちの方、メールくださいね。)
「物理法則が一般的であるのなら、誰から見ても同じ形になるはずだ!」
と考えると、ニュートン力学は、互いに等速直線運動をする人同士では、
同じ法則に従いますが、互いに加速度運動をしている人同士では、法則が
一致しません。
この困難を克服し、互いに加速度運動する人同士が、同じ運動法則に従うため
には、どのような法則だったらよいのかを考えて作ったのが、一般相対性理論です。
どっちが動いているの?(2)
115号では、「慣性の法則」をテーマにしました。
慣性の法則とは、
力のはたらいていない物体の運動は、静止、または、等速直線運動である。
というものです。
ここで、素朴な疑問が生じます。
「誰から見て静止なんだろう?」
この疑問に対して、身近な問題を題材にして、自分の頭で考えてみませんか?
正解を得るを焦らずに、一度、自分であれやこれやと考えてみてください。
出来上がった科目としての「物理」を学ぶのではなく、
「物理する」という行為をしてみませんか?
というわけで、その題材を提供したかったのですが、説明不足で誤解を招き、
すみませんでした。
まずは、115号掲載のたとえ話から、どこに問題があるのか、いっしょに
考えてみましょう。
-------------------- どっちが動いているの? ---------------------------
寝台特急「地球号」に乗っていた何太郎君は、後ろに流れていく景色を見て、
ふと思って、友達の勘太郎君に言いました。
「もしかして、僕たちが止まっていて、周りが後ろに動いているんじゃないか」
勘:いいじゃないか。そのときは、目的地が向こうから来てくれるだけだろ。
どっちにしろ着くのだから困らないよ。
相対的な問題だから、こっちから見れば向こうが動いている。
向こうから見れば、こっちが動いている。
何:でも、全く同じなのかな?
僕たちが進んでいるのと、目的地がこっちに来ているのと。
勘:慣性の法則で考えればいいんじゃないか。
力がはたらいていない物体は等速直線運動をするんだよね。
目的地に着くときは、どっちかが止まるんだから、そのとき減速したほうが
動いていたんだよ。
何:もし、僕たちが動いていたとしたら、電車が減速しても、僕たちは、
進み続けようとするから、前へよろけるというわけか。
勘:地面の方が動いていたとしたら、地面のほうが減速するので、
地面に立っている人がみんなよろけるのさ。
それで分かるよ。
何:でも、もしだよ。
僕たちがこの地球号で生まれ育っているとするよ。
そして、目的地に着く前に僕たちの寿命は尽きてしまうとするよ。
地球号には、一定の強さでブレーキが踏まれているとするとどうだろう?
勘:どちらかが加速度運動をしているということは、景色が等速で動いて
いないから分かるんだね。
何:でも、、一定の強さでブレーキが踏まれているから、よろけることもない。。
勘:つまり、どっちが減速しているかは分からないんだね。
結論が出なくなってしまったので、2人とも寝ることにした。
「明日になって、目的地に着けば、どっちが動いているのかわかるね。」
朝になりました。
二人が目を覚ましたときには、すでに地球号は目的地に着いて止まっていました。
------------------- たとえ話はここまで ---------------------------------
メールでいただいた問題点は次のようなものでした。
> 目的地に着くときは、どっちかが止まるんだから、そのとき減速したほうが
> 動いていたんだよ。
減速とは、最初から大地を基準にした座標系からの記述なのではないか。
「減速」なのか「加速」なのかは座標系を決めないかぎり決まらないのではないか。
(田原)問題設定があいまいでした。
一方の質量が一方に比べて十分に大きく、質量の大きいほうの物体は、
近似的に等速直線運動をしていると見なせるとします。
つまり、その物体に固定した座標系は、慣性系と見なせるものとします。
問題設定を、
「地球」と「電車」のどちらかが一方の質量が、他の一方に比べて十分に
大きく、どちらか一方に固定した座標系は慣性系と見なせる。
ということにします。
> 目的地に着くときは、どっちかが止まるんだから、そのとき減速したほうが
> 動いていたんだよ。
加速度が加わった方が「運動していて停止する側」と規定できるのか?
(例)時速100キロで近づいてくる大地にたいして、ある時点でスタートして
逃げるようにスタートして加速し始めて相対速度が0になったとき、ちょうど
駅がやってきていたとすれば運動の記述としてはOKになってしまいうのでは?
(田原)確かに、座標系に対してある制限を与えなければ、(例)のような
ことも可能になってしまいますね。
座標系を「地球」「電車」のどちらかに固定するという制限を与えて、
「減速」=相対速度が減少する というように意味を制限すればよいでしょうか。
> 勘:つまり、どっちが減速しているかは分からないんだね。
減速=加速度運動している方は非慣性系になるわけですから、どちらが減速して
いるかどうか分かるのでは?
(田原)これをもうちょっと考えてみたいです。
電車が等加速度運動をしているとします。電車の中にいる人にとっては、
進行方向へ一定の慣性力を感じるとします。
天井のつり革は、一定の角度で前方に傾いて静止していることでしょう。
このとき、電車に乗っている人が次のように考えたとします。
(1)電車が加速度運動をしている。
(2)電車の床が傾いている。
この2つを区別するにはどうしたらよいでしょうか?
今回は、とても興味深く、生産的なご意見をいただきました。
たとえ話といえども、設定を、もっとちゃんとしなくてはと思いました。
よい機会ですから、座標系について、掘り下げて考えたいと思います。
みなさんも、よろしければ「自分はこう考える」というメールを送ってください。
素朴な疑問、自由なご意見、お待ちしています。
面白い意見には、匿名またはハンドル名で引用させてくださいね。
どっちが動いているの?
寝台特急「地球号」に乗っていた何太郎君は、後ろに流れていく景色を見て、ふと思って、友達の勘太郎君に言いました。
「もしかして、僕たちが止まっていて、周りが後ろに動いているんじゃないか」
勘:いいじゃないか。そのときは、目的地が向こうから来てくれるだけだろ。
どっちにしろ着くのだから困らないよ。
相対的な問題だから、こっちから見れば向こうが動いている。
向こうから見れば、こっちが動いている。
何:でも、全く同じなのかな?
僕たちが進んでいるのと、目的地がこっちに来ているのと。
勘:慣性の法則で考えればいいんじゃないか。
力がはたらいていない物体は等速直線運動をするんだよね。
目的地に着くときは、どっちかが止まるんだから、そのとき減速したほうが
動いていたんだよ。
何:もし、僕たちが動いていたとしたら、電車が減速しても、僕たちは、
進み続けようとするから、前へよろけるというわけか。
勘:地面の方が動いていたとしたら、地面のほうが減速するので、
地面に立っている人がみんなよろけるのさ。
それで分かるよ。
何:でも、もしだよ。
僕たちがこの地球号で生まれ育っているとするよ。
そして、目的地に着く前に僕たちの寿命は尽きてしまうとするよ。
地球号には、一定の強さでブレーキが踏まれているとするとどうだろう?
勘:どちらかが加速度運動をしているということは、景色が等速で動いて
いないから分かるんだね。
何:でも、、一定の強さでブレーキが踏まれているから、よろけることもない。。
勘:つまり、どっちが減速しているかは分からないんだね。
結論が出なくなってしまったので、2人とも寝ることにした。
「明日になって、目的地に着けば、どっちが動いているのかわかるね。」
朝になりました。
二人が目を覚ましたときには、すでに地球号は目的地に着いて止まっていました。
★たとえ話終了★
確定した学問としての「物理」を学ぶよりも、
自分の頭でいろいろと考える=「物理する」と、また違った楽しさがあります。
ガリレオ・ガリレイや、ニュートンは、何太郎くんや、勘太郎君のようなことを、
一生懸命考えたんですね。
前向きにバック転?
加部中(かべあたる)さんが、物理ネット予備校の窓口に相談に来ました。
学習相談員の莫典三(ばくてんぞう)が、対応しました。
中:40歳になって、突然「物理を勉強したい」と思いました。
でも、高校時代は文系だったし、数学もすっかり忘れています。
最近は、記憶力も落ちてきたように感じます。
自分に物理が理解できるでしょうか?
莫:初めにうかがいたいのですが、加部さんは、どうして物理を学ぼうと思ったの
ですか?
中:ホーキング博士の本を読んだんです。宇宙とか、ブラックホールとかの話に、
とても惹かれてしまいました。
でも、私は年齢も50代で、仕事に物理を使うわけでもありません。
今から物理を学ぶなんて、とてもできそうにない気がします。
莫:できないと思ってあきらめる前に、私の話を聞いてください。
私は、40歳のとき、「バック転」の練習を始めました。
名前が、「ばくてんぞう」なので、バック転ができたらおもしろいかなと思った
のがきっかけです。
家族は、「40歳のおっちゃんが、バック転なんて怪我するからやめときな」と
言いました。
中:私が家族でも止めると思います。それでどうしたのですか?
莫:まず、バック転に必要なジャンプ力と、柔軟性とを調べてみたのです。
その結果、バック転には、たいしたジャンプ力も柔軟性も必要ないことが
分かりました。
コツさえつかめば、自分でもできそうだと思いました。
中:でも、コツをつかむのが難しいんじゃないですか?
莫:はい。でも不可能じゃありません。
バック転の映像を見ながら、どうやっているのかを、よく観察しました。
中:見て、何か分かったのですか?
莫:はい。うまい人は、背中をやわらかく動かしていることに気がついたのです。
そこで、まず、背中をやわらかく動かすことを目標にしました。
中:それで、できたのですか。
莫:はい。暇さえあれば、背中をぐにゃぐにゃと動かしていましたから。。
中:この話は、物理の話と何か関係があるのですか?
莫:「難しい」と感じるものでも、相手をよく観察すると、そこへ近づくための
第一歩を見つけることができると思うのです。
中:莫さんが、「背中をやわらかく動かすこと」を始めたようにですか?
莫:そうです。
物理に感じる「難しさ」を、分解してみるとよいかもしれません。
高校数学を復習すると、難しさが減るかもしれませんし、
一般書を読んでみると、全体像がつかめて分かりやすくなるかもしれません。
中:なるほど。なんとなく「難しい」と考えて、何もしないのではなく、
難しさを減らすための行動を、一つずつやってみるということですね。
莫:そうなんです。
そうしているうちに、準備が整ってきて、「できそう!」という感覚が
出てくると思います。そのときが、チャレンジのときです。
中:莫さんも、そう感じたから、おもいっきり後ろに飛んだのですね。
莫:はい。おもいっきりいきました。
頭から落ちましたが、怪我をしないことが分かって恐怖が減りました。
何が悪かったのかも分かって、次の目標も定まりました。
中:ということは、まだ、バック転は、成功していないのですか?
莫:はい。でも、確実に成功に近づいています。
後ろにおもいっきり飛んだことで、次の段階に進むことができましたから。
中:莫さんは、本当に前向きですね。
お話を聞いていたら、私も、がんばれそうな気がしてきました。
まず、高校数学の復習から始めてみようと思います。
電車の中で、ブルーバックスの本も読んでみます。
物理ができそうな気持ちになったら、また、ここに来ますね。
莫:はい。お待ちしています。
私も、バック転に前向きに取り組んでいきたいと思います。
◆たとえ話終了◆
勉強をすると、「分からない」と感じることは多いと思います。
僕も、よく「分からない」と感じます。
でも、落ち着いて、「分からないもの」を観察すると、「分からない理由」
が見えてきます。
これが、大切な第一歩です。この時点で、9割は解決しています。
目標を切り替えて、「分からない理由」に取り組むことにします。
知識が足りないなら、知識を補いましょう。
言っていることが分からないのなら、同じことについて書いてある別の本を、
読んでみましょう。
時間はかかるかもしれませんが、確実に一歩一歩、前へ進むことができます。
すると、あるとき準備が整って、目の前が開けて、「今ならできそう」という
感覚が生まれてきます。
そのときは、おもいきってジャンプです!
できそうだと感じられるまで、コツコツと準備する!
できそうだと思ったら、恐怖を乗り越えて、思い切って飛んでみる!
頭から落ちたとしても、得られることはとても大きいです。
エイテル王はブロガーです。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
宇宙に浮かぶ美しい星、エイテル星。
エイテル星の王様、エイテル王はブロガーです。
エイテル王のブログ「お城の中のエイテルさん」は、科学の話題や、エイテル王
の日常を中心に、毎日更新されています。
その中の人気企画「がってんエイテル」では、エイテル王が感じている科学の
疑問が投げかけられ、それに、国中のみんなが自由に回答します。
エイテル王を納得させた回答には、「がってんマーク」がつけられ、
ガッテンガム宮殿へ招待され、エイテル王と夕食をともにすることができます。
今月の「がってんエイテル」のテーマは、次のようなものでした。
質問 エーテル星も、ほかの星も、宇宙空間にぷかぷかと浮いています。
エーテル星が止まっていて、他の星が動いているのでしょうか?
それとも、エーテル星以外のどこかの星が静止していて、残りの星は
動いているのでしょうか?
それとも、静止している星などないのでしょうか?
このことを考え始めると、夜も眠れません?
みなさんの回答をうかがって、納得し、安らかな眠りを取り戻したいです。
コメント (投稿者 新しい豚)
エーテルさん、こんにちは。いつもブログ楽しく拝見しています。
物体の速度は、どこかを静止していると決めて、はじめて決まると思います。
ですから、問題は、「どこを静止していると決めるのが妥当か」ということに
なります。
どこかの星を静止している決めるとすると、その星が、他の星と比べて何らか
の意味で「特別な存在」である必要があります。
わがエーテル星が、全宇宙の中で特別の存在であると主張する根拠はありません。
同じように、他の星が特別な存在があると考えるのも不自然です。
ですから、わたしは、「宇宙空間」が静止していると決めることを提案します。
宇宙空間は、すべての星にとって、特別な存在ですから、こう考えるのが自然な
気がします。
「静止している宇宙空間内を、すべての星が動き回っている」
と考えるとすっきりすると思うのですがいかがでしょうか?
コメント (投稿者 エーテルさん)
新しい豚さん、早速、コメントしていただきありがとうございます。
ご意見、とても説得力がありました。
でも、「宇宙空間が静止している」というところが、いまひとつ、はっきりと
イメージできません。
宇宙空間は、空っぽなんですか? それとも、そこには、何か物質があるの
ですか?
コメント (投稿者 実験大好きジョー)
エーテルさん、新しい豚さん、こんにちは。
私は、宇宙空間は空っぽではないと思います。
私たちの身の回りには空気がありますが、普段は見ることができません。
でも、空気は音波の媒質になっているので、音によって空気の存在を知ること
ができます。
空気を基準にとって、いろいろな物体の速さを決めることもできます。
エーテル星における空気と同じように、宇宙空間にも、空気のようなものが
あるのではないでしょうか。
なぜなら、光という波動はは宇宙空間を伝わってきますよね。
ということは、光を伝える媒質があるはずです。
その物質を基準とすれば、エーテル星がどのような速度でうごいているかどうか
を決めることができるのではないでしょうか。
コメント (投稿者 エーテルさん)
実験大好きジョーさん、コメントありがとうございます。
なるほど。「宇宙における空気」ですか?
もし、そのようなものがあれば、確かにすべての星の運動を表す基準として
適切な気がします。
コメント (投稿者 大臣)
エーテル閣下 突然の書き込み失礼します。
私からの提案です。
「宇宙空間における空気」を、わがエーテル星の栄光が永遠に続くことを願って、
「エーテル」と名づけてはいかがでしょうか?
「すべての星の運動を、『エーテル』を基準としてあらわす。」
この記述が、宇宙教科書に載せることには、大きな意義があると思います。
コメント(投稿者 エーテルさん)
大臣へ 禁止事項:ブログに政治を持ち込まないこと。を熟読のこと。
ただ、提案は面白いので、これからは「エーテル」を使うことにしましょう。
以下の記述を宇宙Wikiへ追加するように手続きをお願いします。
---- * ---- * ---- * ---- * ---- * ---- * ---- * ---- *
エーテル:宇宙空間にただよう空気のようなもの。光波の媒質と考えられる。
宇宙に存在する星の運動を表すための基準として適当だと思われる。
エーテル星のブログ「お城の中のエーテルさん」の中でたてられた
仮説。検証待ち。
---- * ---- * ---- * ---- * ---- * ---- * ---- * ---- *
もし、エーテルの存在が確かめられて、エーテル星がエーテルに対して静止して
いるということになれば、エーテル星は、宇宙の中で特別な存在であるという
ことになりますよね。
でも、エーテル星以外の星が、エーテルに対して静止していることが分かった
としたら、その星が、特別な存在であるということになってしまいますね
そのことを考えたら、心配で、また、眠れなくなってしまいました。
★たとえ話終了★
ニュートンは、「絶対空間」というものを考えました。
そして、絶対空間に対して静止した座標系を設定し、宇宙を表すことを提案しました。
そして、絶対空間の存在を支えるものとして、エーテルが考えられました。
さて、エーテルは実際に存在するのでしょうか?
その存在は、どのようにして確かめられるのでしょうか?
みなさんも、ぜひ、「どうしたら確かめられるかなぁ?」と考えてみてください。
※みなさんも、エーテル星の住民になって、コメントをつけてみませんか?
まぐネットのメルマガへの感想のところに、書いてください。
純粋に遊びですので、気軽にコメントを書いてくださいね。
僕も2つ考えました。
(例)(投稿者 大臣)
もし、他の星が静止しているということになったら、わがエーテル星はが格下
になってしまいます。
よって、わが星が静止しているということが確認できるまで、エーテル説の公表を
控えるべきではないでしょうか。
(例)(投稿者 気象予報士)
エーテルは、一様に分布しているのでしょうか?
空気は、場所によって密度が大きい場所(高気圧)と、小さい場所(低気圧)が
あります。そして、気圧の高いところから低いところへ風が吹きます。
エーテルにも、そういった現象があるのでしょうか?
あるとしたら、どうやって確かめられるのでしょうか。
※まぐネットへの招待状が届いていない方へ
メルマガの返信で、件名を「まぐネットへ入りたい」と書いて送ってください。
その際、もしよかったら、メルマガの感想も教えてくださいね。
要約機能つき翻訳機
「自然大全集」は、「無限図書館」にある「第1巻から無限巻」まで続く全集です。
本棚が無限個ある「無限図書館」以外には、置くことができません。
書いてある内容が、あまりに多いので、読み終えた人は誰もいません。
本の中身は、すべて古代文字「滑車形文字」で書かれています。
この「自然大全集」を理解するために、発明王、江尻尊(えじり・そん)は、
「要約機能つき翻訳機 おまかせゲンリー」
という機械を発明しました。
入力文字が、古代文字などの場合は、最初にある程度のデータを読み込んで、
そのデータをもとに文法規則を予測し、内容を把握します。
さらに、「人間が理解できる内容は、どうせ100ページ分」というあきらめ
のもと、どんな情報でも、100ページ以内に要約します。
その結果、どんなものでも、最終的には理解可能に結果が出力されます。
江尻尊は、「おまかせゲンリー」を使って、さまざまなものを翻訳&要約
していきました。
そして、ついに、「自然大全集」を「おまかせゲンリー」に読み込ませる
という大プロジェクトに取りかかりました。
早速、第1巻から「おまかせゲンリー」に読み込ませていきます。
最初の10年は、「滑車形文字」の文法構造をつかむことに使われました。
一部の学者からは、
「10年でよいのか?無限巻あるんだぞ!」
という批判がありましたが、江尻尊は、自分が生きているうちに
このプロジェクトの結果を見たかったので、10年で次の作業に移ることに
しました。
いよいよ読解作業に入りました。
自然大全集を読んでいくと、似たような内容がくり返し登場します。
これらをすべて同じものとしてまとめて要約していきます。
50年後には、「おまかせゲンリー」は、1億巻まで読みすすめました。
要約された内容は、最近は、あまり変更されることなく、表現を少し
変更する程度です。
江尻尊は、この結果を見て、100歳の誕生日に記者会見を開きました。
「おまかせゲンリーによる、自然大全集の要約に成功した。」
ある記者から、質問が飛びました。
「でも、無限巻あるんですよ。もし、自然大全集を1冊の小説に例えると
最初の1行もまだ読んでいないことにはならないのですか?」
江尻尊は答えた。
「私が言ったのは、究極の要約に到達したという意味じゃない。」
「おまかせゲンリーによって、自然大全集を理解可能にするという
試みが成功だと言っているのだ。」
「私の寿命が尽きても、おまかせゲンリーは動き続けるだろう」
「今の要約が正しいかどうかも、おまかせゲンリーが明らかにする
だろう。」
別の記者から質問が飛んだ。
「でも、無限巻あるんですよ。本当におまかせゲンリーによって、
要約が正しいかどうかが判定できるのですか?」
記者会見は、いつまでも終わることがなく続くのだった。
★たとえ話終了★
僕は、物理を、
「無限の自然を、有限な脳で理解可能なものにするためのインターフェース」
というふうにイメージしています。
インターフェースという言葉が分かりにくいかと思って、今回は、
「要約機能つき翻訳機」
ということにしてみました。
無限を有限のものに落とし込むときには、常に困難がつきまといます。
その困難が伝わったでしょうか。
春期講習・田原の物理を無料でやります!
春期講習をやります。
田原の物理では、高校2年生向けに春期講習をやります。
扱う内容は、「波動」。
●波のグラフの読み取り方
●反射波の作図
●定常波(弦・気柱)
をテーマに、90分講義×2を無料で実施します。
自宅のパソコンから受けられるPCレター講義ですので、
気軽に申し込んでください。
期間は、2008年3月1日〜3月31日の1ヶ月間。
この期間を過ぎると、見ることができなくなるので、
必ず、この期間に申し込んでくださいね。
それでは、皆さんの参加を楽しみにしてます。
詳しくは→ 田原の物理・春期講習


