2005年08月28日
密室殺人の犯人は誰だ!
ウィーンの郊外にある屋敷で、その会議は行われていました。
議題は、「出産するロボットを作ることを認めるかどうか」でした。
参加者は、まず、物理学者であり、SF作家でもあるアシモツ博士。出産賛成派です。
ロボットの職場進出にストップをかけたい労働者代表のワクワーク議員。
産婦人科の権威、ナイエネ博士。賛成派。
そして、この会議のスポンサーでもある、ウィーンの名士、ネーツ伯爵。反対派。
人間とロボットの境界を限りなくあいまいにしてしまうこの問題について、4人は、
毎日激しい議論を繰り返していました。
会議も4日目に差し掛かったある夜、突然、部屋の電気が消えました。
5分後、電気がつき、部屋が明るくなったとき、そこに現れたのは、背中にナイフが刺さり、
仰向けに伏せて倒れているアシモツ博士の姿でした。
医者であるナイエネ博士が、駆け寄って脈をとると、もうすでに息はありませんでした。
会議室は、内側からカギをかけてあり、また、古い屋敷の扉は開けるときに「ギー!」という
大きな音が鳴るため、誰かが部屋に出入りしたらすぐに分かります。
5分間のうちに扉の開く音を聞いたものはありませんでした。
ということは、残りの3人、ワクワーク議員、ナイエネ博士、ネーツ伯爵の誰かが、アシモツ博士
を殺したことになります。
事件を聞きつけて、ハガサ・クリストン警部がやってきました。彼は、3人の中にネーツ伯爵が
いるのを見て困ったようにつぶやきました。
「地元の名士、ネーツ伯爵は、警察とも深いつながりがある。うかつに手出しできないぞ。」
ハガサ警部がナイフを見ると、そこには、犯人のものらしき指紋がついていました。
警部はその指紋をとると、他の2人から調べることにしました。
まず、ワクワーク議員の線が消えました。長いこと工場で働いていたワクワーク議員の手は、
すっかり指紋が消えていたからです。
次に、ナイエネ博士を調べました。ナイエネ博士でないこともすぐに証明されました。
ナイエネ博士の指はとても細く、ナイフについていた大きな指紋とは大きさが全く違った
からです。
部屋が完全な密室であったことと、他の二人が無実であることが示されたことによって、
直接尋問しなかったネーツ伯爵が犯人であることが確定しました。
ネーツ伯爵は、罪を認めたあと、こうつぶやきました。
「息子がロボットと結婚したいといっているのだ。ネーツ家がロボットに乗っ取られる気がして
耐えられなかったのだ。」
★たとえ話終了★
熱力学の目的は、直接、求めることが出来ない「熱」を、エネルギー保存則を用いて
間接的に求めることです。
そのためには、熱力学第一法則というエネルギー保存則を使います。
(外から加えた熱)=(内部エネルギー変化)+(気体が外へした仕事)
内部エネルギー変化を温度計を用いて測定します。
気体が外へした仕事を、ピストンの動きなどから測定します。
エネルギーが保存している(完全密室殺人である)ことから、間接的に熱を求めます。
これが、熱力学で熱を求めるやり方です。
直接求められないのなら、それ以外の全てをつぶしていくというのは、場合によっては
有効な方法ですね。


