2007年09月17日

スピンスピンスピン

僕は、「分かる」という行為には、2種類の型があると思っています。

それは、次の2つです。

(1)すでに分かっていることに、合理的につながる場合
(2)全く新しい概念を、頭の中に作り上げる場合


(1)のケースは、比較的簡単に理解が成立します。

基本が理解できている人が、応用問題を理解するなんていうときは、
(1)のケースですね。


一方、(2)のケースは、時間と労力を必要とします。

目の前に現れた、「未知なる概念」に対して、次のような反応をしてしまう
ことが多いです。


 すでに知っている知識から導き出そうとして失敗する。

 自分の知っている知識の中から、似ているものを探そうとして失敗する。

 これらの失敗を繰り返した後、「分からない!嫌いだ!」と拒絶する。


皆さんも、このような経験をしたことはありませんか?


数学の三角関数や、対数関数で挫折するのは、このステップを踏んでいる
場合が多いです。


新しい概念は、新種の動物みたいなものです。

どんな食べ物を食べるのか、群れを作るのかどうか、子育てはどうするのか。。
などと、しばらく観察して、特徴をつかんでいくしかありません。

その概念の横に寄り添って、しばらく一緒に過ごすしかないのです。
そのうちに、様子がつかめてきます。

 

理解の型について、体験談を一つ。

 

大学で量子力学を学んでいたときのことです。

量子力学では、「スピン」という概念が登場します。

講義で説明を聞くと、

「スピンというのは、電子の自転による角運動量のようなもんだ。」
「でも、電子は量子力学的粒子だから、自転と考えるのは誤りだ。」

と言っていました。


このように言われて、

「それじゃ、スピンと言うのをどのようにイメージすればいいんだ!!」

と、頭の中は、完全にフリーズしました。


そんなときに耳にしたのが、早稲田大学の大槻教授のスピンに関する伝説
でした。


生徒「先生、スピンがどうしても分からないんです。」
教授「君ねぇ、スピンが分からないのなら、スピンスピンスピンスピン。。。
   と、100回言いなさい。」
生徒「・・・・・。」


当時は、「そんなこと言わないで教えてあげればいいのに。。」と思ったような
気がします。


でも、今なら、真意が分かるような気がします。

田原訳をつけてみますね。

生徒「先生、スピンがどうしても、すでに知っている知識につながりません」
教授「君ねぇ、スピンが分からないのは、(1)じゃなくて(2)なんだよ。
   だから、スピンに慣れ親しんでいくしかないんだよ。」


理解の型が違うことが原因で、理解し損ねている人は、
自分が直面している問題が、どちらの型なのか、一度、考えてみてくださいね。

もしかしたら、突破口を見つけられるかもしれませんよ。



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