2007年12月22日
質量もエネルギー保存則の仲間に入れてください!
エネルギー商店街では、この商店街だけで使える地域通貨、「ジュール」が、
盛んに使われています。
加盟店になるためには、エネルギー商店街保存会のメンバーの承認が必要で、
メンバーから適切だと
商店街の老舗のひとつ、「引越しの力学屋」の社長、市野たかしの口癖は、
「ジュールで払えば、勉強しまっせ!」
大手電気店に真っ向勝負を挑んでいる小さな電気屋、サンエー堂では、
「ジュールで払えばポイント10倍!」のポイントカードを発行している。
昨年、商店街に新しいメンバーが入りました。
「根津薬局」です。これまで、ずっとエネルギー商店街に入ること
を希望していて、ついに、商店街のメンバーにふさわしいと認められ、
ジュールを使える加盟店になりました。
根津薬局の社長、根津甚七は、地元テレビ局の取材で、
「根津が、エネルギーの一員に入れてもらって、ほんとうれしいです」
と涙声で語りました。
今年、エネルギー商店街を揺るがす大ニュースがありました。
隣町のライバルで、「キログラム」という地域通過を使っている質量銀座
保存会の会長で、「ふとんの質量」の社長でもある、エムシー二条が、
エネルギー保存会への加盟を申し込んできたのです。
「ふとんの質量」の店舗をエネルギー商店街へ出店し、キログラムとジュールを
一定の割合で換金できるようにしてほしいとの申し入れでした。
力学屋、電気屋、根津薬局のメンバーは、集会所で相談を重ねました。
ネックになったのは、キログラムとジュールの換金率をどうするかという
点でした。
エムシー二条は、1キログラムを、10^20ジュールにすることを要求していました。
1キログラム札を持って、エネルギー商店街で買い物をすれば、1ジュール札が、
10^20枚と変えられるようにしろという要求です。
何回かの折衝の結果、結局、
1キログラム=9×10^16ジュール
という換金レートに決まりました。
メンバーの心に浮かんだものは、
「別々になっていたものが、統合されていく。。それが、時代の流れだ。。」
というわけで、質量は、エネルギーの仲間入りをし、エネルギー商店街は、
大きな転換をすることになったのでした。
★たとえ話終了★
アインシュタインの式 E=MC^2という式が、登場する前は、
エネルギー保存則と、質量保存則は、別々に成り立っていると考えられていました。
質量保存則というのは、物質の不生不滅の法則として、感覚的にも受け入れやすい
ものだったと思います。
そこに登場した、E=MC^2が意味するところは、
質量保存則は、常に成り立つとは限らないんだ!
そして、質量は、エネルギーが互いに変換するんだ!
ということだったんです。
つまり、別々だと考えられていた2つの保存則が、拡張・統合され、
エネルギー保存則として一つにまとめられてしまったのです。
これは、大事件ですね。
「質量とエネルギーが互いに変換される」といっても、
日常生活の延長線上では、なかなかイメージするのが難しいですね。
具体例で説明します。
たとえば、静止していた放射性原子核が核分裂する場合を考えてみます。
核反応などでは、反応前と後では、物質の質量の和が異なります。
つまり、質量保存則は、成り立ちません。
原子核の質量がちょっとだけ減少し、その減少分の質量が分裂後の原子核の
運動エネルギーに転換し、原子核はものすごい勢いで分裂します。
E=MC^2の、Mは質量で、Cは光速です。
光速の大きさは、
C=3.0 ×10^8m/s
で、その2乗がかかっているので、減少した質量が小さくても、放出されるエネルギーは、
とても大きくなります。
E=MC^2は、「質量もエネルギー保存則の仲間に入れてください!」
という式です。そして、その変換レートは、ものすごく大きく、ちょっとの質量の変化が、
大量のエネルギーと変換されるのです。


