2008年02月22日
「型」で理解するということ
高校の勉強の中で、最初に「型で理解する」という経験をするのは、
数列で登場する「漸化式」です。
a(1)=2, a(n+1)=a(n)+3
などという式が与えられると、この式を、
a(1)=2 → 最初の数が2で、
a(n+1)=a(n)+3 → 次の数は、前の数に3を加えたものにする。
と解釈して、「等差数列」と呼ばれる数列なんだと理解します。
また、
a(1)=3, a(n+1)=2a(n)
という式を見ると、
a(1)=3 → 最初の数が3で、
a(n+1)=2a(n) → 次の数は、前の数に2をかけたもののにする。
と解釈して、「等比数列」と呼ばれる数列なんだと理解します。
漸化式には、等差数列、等比数列などの型があり、それぞれ、
違った解き方があります。
複雑な漸化式も、式変形や置き換えによって、等差数列や
等比数列に帰着させて解きます。
漸化式を解くときの頭の使い方は、
(1)漸化式を立てる。
(2)漸化式が、どの型なのか判別する。
(3)判別した型に応じた解法で解く。
といった感じです。
実は、この頭の使い方は、物理も同じです。
力学の原理である運動方程式は、「微分方程式」と呼ばれる数式です。
これは、「漸化式」の親戚といってもよい数式で、漸化式と共通点が
たくさんあります。
力学の頭の使い方は、次のようになります。
(1)運動方程式を立てる。
(2)運動方程式が、どの型なのか判別する。
(3)判別した型に応じた解法で解く。
高校物理に登場する微分方程式の型は、何種類あると思いますか?
10種類?
20種類?
いえいえ、そんなに多くありません。
たったの3種類です。
僕は、この3種類に
「放物運動型」
「終端速度型」
「単振動型」
と名前をつけて、普段は、「微分方程式」という名前を表に出さずに、
授業をしています。
でも、これは、実は微分方程式としての分類です。
大学に入ると、微分方程式の解法を鍛えます。
そうすると、今まで、運動方程式は立てられるけれど、解けなかった問題の
解が分かるようになります。
こんな風に、「型」で分類しながら高校物理を勉強していくと、
大学に入って、微分方程式の解法を勉強したときに、その意義をよく理解
することができて、スムーズに物理を勉強することができます。
公式を暗記して数値を当てはめていくようなやり方とは違い、
高校から大学へ、一本の道を描くことができます。
「型」による分類は、物理を学ぶ上で、とても大切な考え方なんですよ。


