2008年04月29日

二項対立を超えて新しい地平を切り開け

僕だけでなく、大学受験のときに微積分を使って物理を学んだ人の多くが
経験することだと思うのですが、

大学1年生で学ぶ物理が、とても簡単なのです。


最初は、たいてい力学を学びます。

微積分を導入して、力学を再構築していきましょうという内容なので、
すでにその作業を終えてしまっている身としては、
授業で言っていることは当たり前だし、
試験の問題は、勉強しなくても解けるし、
周りの同級生からは尊敬のまなざしで見られるし、
頼られたりするし。。。

と、とても快適な状態になるわけです。

でも、気をつけないと、ここに落とし穴があり、

「あまり勉強をしなくても、物理はできる」

と、勘違いしてしまったりするんです。
(僕も、してました。)

それでも、物理の基本的な考え方が身についているので、

大学2年生までは、試験2週間前あたりから、勉強をはじめて、
友人の間でまわっている、誰が書いたのか分からない授業ノートを見ながら、
ウンウン考えていると、それなりに理解できて、
成績も維持できます。

ところが、3年生になると、突然、それが通用しなくなりました。

その科目は、

  「量子力学」


教科書を読んでも、ノートのコピーを見ても分からず、
今までの勉強の仕方が全く通用しませんでした。

単位は何とか取りましたが、
全く理解できないことがショックでした。

数式を見ても、

そもそも、なぜこのような式が立てられるのか?
なぜ、こんな計算をしようとするのか?
計算結果の式が、何を表しているのか?

など、頭の中に「???」が渦巻いて、
前へ進めないのです。


その後、何年間か、苦手意識を引きずったまま過ごし、
あるとき、思い立って一から勉強しなおしました。


すると、大学3年生のときの僕が、
なぜ分からなかったのかが、
やっと分かりました。


量子力学というのは、科学の発展の中でぶつかった大きな壁を、
今までにないやり方で超えたという話なのですが、


当時の僕は、「壁」について、よく分かっていなかったのです。


自分自身が、「壁」にちゃんとぶつかっていないのに、
その解決法を学んでも仕方が無かったのです。


前期量子論と呼ばれる「粒子性」と「波動性」に関する理論を、
時系列に沿って学んでいって、はじめて自分のものとして疑問を
感じることが出来るようになりました。

歴史をたどって、ようやく僕も「壁」にぶつかることが出来たのです。

そして、そのあとに登場した「量子力学」の衝撃を、
やっと感じることが出来ました。


前期量子論を学んだことは、物理を学ぶ方法として、
歴史をたどることの重要性を知ることが出来た点で役立ちました。


物理は、人間が、あれやこれや壁にぶつかりながら、
試行錯誤して作ってきたものなんだなぁと、
思えるようになりました。


量子力学を学ぶのは、それなりに準備が必要ですが、

「前期量子論」は、高校数学だけで学ぶことが出来ます。

次号では、前期量子論のストーリーを書いてみようと思います。



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